コミックス『飴とキス』はじめ、作品に対しての質問です。
10月1日にデビューコミックス『飴とキス』が発売となります。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
すごく怖いです。それと同じくらい携わってくださった担当様・関係者様と読んでくださる読者様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
『飴とキス』は秋平先生にとって初めての連載作品でしたが、ご執筆中に楽しかったことや大変だったことはありますか?
漫画を描くという経験が少なかったので、全ての作業が本当に大変で、でも慣れてないぶん漠然と楽しんでいた記憶があります。
ネガティブな前田くんと爽やかな楊井さん。ふたりの噛み合っているような噛み合っていないようなかけあいがとても面白いです! ふたりはどのようにして生まれたキャラクターでしょうか?
ありがとうございます。楊井のようなあっけらかんとした王子様タイプを描きたいなと考えていたら自ずと前田みたいなのが湧いてきた感じです。
扉イラストの小物使いや、キャラクターの服装など細部までこだわっていらっしゃる印象でした。画面構成などこだわりがあるのでしょうか?
全くないです、というかこだわれるほど慣れていなかったので、白いとこ埋めなくては!と必死でした。すいません。今はちゃんと意識して描いています。
コミックスに納めきれなかったエピソードや、製作中の秘話などありましたらぜひ教えてください!
たくさんあるのですが3話の間に花火大会デートをさせたかったです。
製作中は…「秘話」でもないのですが、あまり自分の絵を紙にして見た事がなかったので、
CRAFTに掲載される度に反省・改善を繰り返した結果、1話と描き下ろしで絵がだいぶ変わっています。お見苦しかったらごめんなさい。
『飴とキス』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいシーンを教えてください。
シーンではないのですが、一見控えめなようで実は楊井を振り回してしまうという、自信ないところから来る無自覚な前田のワガママ感。ワガママ受けが好きなので、こうなりました。
秋平先生は現在電子アンソロジー「iHertZ」で『僕らの群青』を連載中です! こちらはどのようなお話なのか、ぜひご紹介いただけますか?
彼氏がほしくて仕方ない男子校生(ゲイ)と恋愛ごっこに付き合わされる担任のお話です。初夏の青空の下で各々が人知れず笑ったり怒ったりときめいたり内に秘めたりしながら進行していくはずです。
よろしくお願いします。
秋平しろ先生ご本人に関する質問です。
漫画を描き始めたきっかけはなんですか?
小さい頃に友達と遊びの一環として描いたのが始まりだと思います。
その後はパッタリ絵を描かなくなり、再び描いたのが20歳を越えてからでした。
きっかけはたぶん頭の中にいた黒髪・黒スーツ・ドSっぽいメガネというキャラを可視化したかったのだと思います。
デビューのきっかけを教えてください。
イベントで大洋図書様の編集者の方に声をかけて頂きました。
最初からとても良くして頂いてたのに、なぜ自分のような実績のない奴を?という思いから、
掲載されるまでは実は何かの詐欺なのでは、と思ってました。すみません。
漫画を描く上で影響を受けたり、リスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか?
理由もあわせて教えてください。
感覚で捉えたものは全て意識無意識に関わらず影響していると思いますが、私の好きなアーティストの方が、「これが遺作のつもりで毎回曲を書いてる」と仰っていて、その言葉はだいぶリスペクトしてます。自分もそういう姿勢で取り組めたらいいなというか、音楽のような大衆的な分野と違いBLはマニアックな存在だと思うので、そんな格好良い事を言うのも憚られるのですが、自分の時間や心や体力を削りながら作るという動作だけで言うと、私もいつか「これは自分にとって最高の出来です。いつ死んでも良いです。」と言えるものが描けたらいいなぁと思います。今のところ、描き上げる度に反省点が出てくるので死んでも死にきれないですが。
秋平先生にとって萌とはどんなものですか?
けっこう長時間、どう答えたらしっくり来るかなと考えていたのですが、どんな回答でも後で「いや、違うな」となりそうなので結局わからないです。「萌」自体が何なのかという事か、萌が「自分にどう作用しているのか」という事なのか考えれば考えるほど、質問の意味もわからなくなってくるほど深いものかもしれません。
最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
はじめましてこんにちは。
まだまだ未熟者なので、メッセージ性のあるものや、深いものなどをお届けすることは難しいかもしれないですが基本的にはふっと笑って頂けるものを描きたいと常々思っております。なので力を入れず、人の恋話でも聞くように読んで頂けたら嬉しいです。このたびは、貴重な機会を与えて頂きましてありがとうございました。