「囀る鳥は羽ばたかない1」に関する質問です。
2013年1月30日にihr HertZから『囀る鳥は羽ばたかない1』が発売になります。
初コミックス『どうしても触れたくない』から四年四ヶ月ぶりの新刊になりますが、今のお気持ちを教えてください。
そうですね、間があきすぎてて気分的には2冊目の初コミックスです。
すごく気に入ってる作品なので本にして頂けて嬉しいです。
作品のスタートは影山と久我の出会いである『Don't stay gold』からになります。
この時点では矢代はまだバイプレイヤーですが、矢代を主役にする構想はどの時点で生まれたのでしょうか?
最初は先の事を考えたりして途方に暮れてたりしましたが、現在は今その時のキャラの動向を楽しんでもらえるといいなと思うようになり、余裕を持って描けるようになりました。単巻の時はプロットが数枚で済むのでストーリーラインが一本で済み起承転結も分かりやすかったのですが、「囀る~」はラインが2本(恋愛と極道の部分)があったり過去との交錯もあるのでいつもよりは多少ちゃんとしたプロットを作っています。長い連載は初めてなのでいまだ手探り状態です。
メインの登場人物となる矢代、百目鬼、影山、久我、それぞれ過去を抱えています。キャラクターを作る際、ヨネダ先生が大事にするのはどんな部分でしょうか?
良いところと悪いところみたいな対比的な部分です。
関係性なら妙に照れがあって必要以上に馴れ合わない、馴れ合えないところです。
それと、基本的に友達がいなそうな人が好きです。久我は例外的に子分や友達がたくさんいると思いますが(笑
主人公の矢代はかなり複雑なキャラクターです。自分のことがどうでもいいというか、破壊的な一面を持つというか。 どうしてこのキャラクターを主人公にしようと思ったのか、教えていただけますか?
難しくて面白そうだったからです。
誰しもとは言えないけれど、人の矛盾した部分ってあると思うんですが。例えば、こうありたい自分と、実際の自分との矛盾とか。大切にしたいのに傷つけてしまいたくなるとかそういう。一本筋が通った人間よりも矛盾があるほうが人間らしいし面白いなと。
大なり小なりあるそういう矛盾の幅が大きいのが矢代なのかなと思います。素直じゃない上、頭のおかしな行動をとるので思った方向に進んでくれないとても描きにくいキャラクターです。
でもそこが描いててわくわくするところかもしれません
よく喋る矢代に対して百目鬼は言葉数の少ないキャラクターですが、表情や仕種から気持ちは伝わってきます。百目鬼のキャラクターはどういうふうに生まれてきたのですか?
矢代に合う相手を考えたらこういうキャラクターになりました。
百目鬼は矢代ありきのキャラクターです。
矢代がいて初めて機能するというか。
作品の構想段階と話数を重ねるに従って、イメージの変わってきたキャラクターはいますか?
七原ですね。1巻はさほどでもないですが、2巻では…。
お気に入りはやっぱり矢代と三角ですね。三角は特に回想で出た頃のギラギラしてる時がいいです。いつか描きたいです。
本作品ではヤクザの世界が描かれています。この世界を執筆する上で気をつけていることはなんでしょう?
これも2巻くらいからですが、できるだけ豊満体形なひとを脇に描こうとしています。ヤクザって太ってる人多いんですよね…
表題となっている『囀る鳥は羽ばたかない』、『Don't stay gold』、『漂えど沈まず、されど鳴きもせず』と、どのタイトルもとても印象的です。タイトルはどうやって考えられるのでしょうか?
「漂えど沈まず」は元々好きな言葉でした。矢代の雰囲気に近いなあと。そのままよりはもじろうと、「鳴きもせず」が動物的でいいなと思いつけました。
「Don't~」はstay goldという言葉から、久我を指しての影山の「それ以上輝いてくれるな…」という皮肉めいた気持ちです(笑
「囀る~」は、「漂えど~鳴きもせず」の動物的な感じから受けてつけました
執筆中に表現するのが難しかったシーン、楽しかったシーンを教えていただけますか?
やはり「囀る~」2話ですね。例のコンドームのシーンが楽しかったです。
それと、女の子と話す矢代というのが難しいけれど楽しかったです。
あと全体に卑猥な単語がたくさん出てくるので(肉便器とか公衆便所とか)いくつくらいそういう単語出せるかとかどうでもいいところで楽しんでいました。
『囀る鳥は羽ばたかない』は、現在 ihr HertZ で連載中です。 読者のみなさまは続きをやきもきしていると思います。
ここに注目してほしい!という点などありましたら、ぜひ教えてください。
百目鬼と矢代が今後お互いにどう変わっていくのかですね。それと、また久我や影山も出てくるのでこの二人が絡んだ主役二人も見方が変わって面白いかも…?
まずはペンネームの由来について教えていただけますか?
周囲に「~田」というPNのひとが多くてノリでつけてしまいました…。
BLマンガを描くようになったきっかけを教えてください。
中学生の時に、BLを知ってなんとなくノートに描くようになりました。
そのころから無表情受とか短髪攻ばっかり描いていました。
お仕事中、これだけは欠かせないという癒しや心の支えはありますか?
癒しとは違いますが音楽ですね。必ず作品の雰囲気に合う曲をかけるようにしてます。
基本仕事中は、癒えないです…仕事を終えたら癒えます…癒えたらまた癒えない日々に突入します。
最も好きな攻&受のタイプ、シチュエーションについて語ってください。
最近は性格がまっすぐだったりしてスレてない攻とスレてる受が好きです。
ヨネダ先生にとって『萌え』とはなんでしょう?
日々の潤いです。
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
2冊目のコミックス、長らくかかってしまいました。次はなるべく早く出せるようにしますので、ぜひ読んでやってください。
また、お手紙やメールなどで感想くださり本当にありがとうございます。