コミックス『聖夜』はじめ、作品に対しての質問です。
12月24日にクリスマスにぴったりなコミックス『聖夜』が発売となります。今の率直なお気持ちをお聞かせください。
発売日がクリスマス・イブということで、「聖夜」を表題作にしてもらいました。
16Pくらいの短編シリーズとしてポツポツと描いてきた作品だったので全体的に短いのが心配の種だったりします。
いつもコミックスが出る時は、嬉しさと同じくらいの怖さがあります。
少しでも気に入っていただけますようにと、祈るような気持ちでいっぱいです。
表題作『聖夜』は3編からなるお話です。初出は2007年とありましたが、久々にご覧になられていかがでしたか?
もちろんギャーっとなりました(笑)
このシリーズは、1作ごとの間がかなり空いていたので、全話の絵が違っていて直すのに苦労しました。
そして、直したものを見てもまた直したいという…。
作中に出てくるケーキが本当にきれいで美味しそうでした! 上田先生の作品に出てくる男性は料理をしている印象がありますが、そこには上田先生の萌が関係しているのでしょうか?
ケーキや料理は、アシスタントに来てくれた友人たちが描いてくれたんですが、本当に美味しそうですよね!
自分でも料理のシーンや料理人がやたらと出てくるなぁと自覚はあるんですが、何故なんだろう…?
ゴハンを美味しそうに食べる人や、美味しい料理を作れる人が大好きだからかもしれません。
あと、やってた仕事やアルバイトが全部飲食関係だったから、その影響はあるかもです。
同時収録の『ブラザーコンプレックス』は、親の再婚で兄弟になった同い年の祐也と一郎のお話です。このお話が生まれたきっかけを教えてください。
真面目な兄に、チャラ男の弟がデートのお金を借りるシーンが、最初に頭に浮かびました。
そこからいろいろ前後の話を作っていった記憶があります。
ポジティブで前向きな祐也と真面目で堅物な一郎。正反対なふたりを描かれる上で気をつけたり、工夫されたことはありますか?
工夫…全然してないような(スミマセン) …あ、真面目の中の可愛さとか、チャラそうな中の誠実さとか出せたらいいなぁと思っては描きました。
この作品は、自分の中の兄弟(家族)のハードルが思ったよりもずっと高くて、最終話が描けなくてのたうちまわりました。
結局雑誌に載せていただいた話もどうしても気に入らなくて、最終話はかなりの部分を描き直しました。
自分のマンガではよくあることなんですが、最初頭の中でイメージしたものと全然違う地点で着地したように思います。
今作には職業萌や兄弟萌、すれ違いやギャップなどお楽しみ要素がふんだんに盛り込まれていると思います! このほか今後挑戦してみたいお題などはありますか?
ありがとうございます。ふ、ふんだんじゃないのでお恥ずかしい限りです。
これから挑戦してみたいお題は、SMかなぁ…。
本編に納めきれなかったエピソードや、製作中の秘話などありましたら
ぜひ教えてください!
ペーパーにも描かせていただいたんですが、「ブラザーコンプレックス」の当て馬の歩のその後の話が、ぼんやりとですが頭の中にあります。歩は将来ぐんぐん背が伸びて、S攻めになる予定なんですよ。
『聖夜』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたい
ポイントを教えてください。
コミックスを読んでいただいて、少しでも気に入っていただけたシーンやセリフがありましたら、そこがポイントだと思います!
上田規代先生ご本人に関する質問です。
PNの由来を教えてください。
本名がちゃん付けされにくい名前だったので、キヨちゃんて呼びやすいかなぁと思いまして。
名字はト○ックの上田教授から拝借しました。PNを決める当時、部屋の壁に「なぜベストをつくさないのか?」と書いた紙を貼っていたので。
漫画を描く上で影響を受けたり、リスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか? 理由もあわせて教えてください。
一番影響を受けているのは漫画だと思います。少女マンガも少年マンガも、もちろんBLマンガも大好きです!
でもベースになっているのはやっぱり少女マンガかな。小さい頃から少女マンガばかり読んで育ったので、影響が大きいように思います。だから自分のマンガも少女マンガ風になってしまうのかもしれません。
上田先生の好きなカップリングやシチェーションはなんですか? またそのどんなところに萌えを感じますか?
同級生萌が強いみたいです。
どんなバカでも天才でも、デコでもボコでも、年が同じというだけで対等になってしまう関係性が好きなんだと思います。
2013年も残すところあと僅かです! 今年の感想と来年の抱負をお願いします。
今年は作画の最速記録を更新しまくった1年でした。つまりはいつもギリギリで、担当者様や関係者様にご迷惑をたくさんおかけしたということです。本当にすみません(土下座)。
来年こそ! もう少し余裕を持って仕事をしたいと思います。
これだけではあんまりなので、来年はもっと自分の萌とじっくり向き合っていけたらなぁと思っています。
せっかくマンガを描かせて頂いているのに、自分の好きなものをすぐ見失いがちなので、本当に好きなものは何なのか、もっとちゃんと追求していきたいと思います。
最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
こんなところまで読んで下さって本当にありがとうございます!
あまりコミックスが出ないので、お会いする機会も少ないのですが、作品を読んでいただけるのが何よりの喜びです。
相変わらず出来にはあまり自信がないのですが、少しでも楽しんでいただけますようにと一生懸命描きました。
是非お手に取っていただければと思います。
寒い季節のお供となりますように…。