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作品紹介

大学生の岩井は、ある日、菌類学者の助手のバイトを紹介される。 訪れた先で待っていたのは、室田という気難しそうな男だった。 最初は不安を感じていた岩井だったが、 室田の教えてくれる未知の世界に触れたり、 生活能力のない室田の世話を焼いたりする毎日は、楽しいものだった。 そんな時間の中、岩井は次第に室田に心惹かれていき……

 
 
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誕生日 3月18日
誕生日 O型
誕生日 広島
誕生日 がらくた集め、山中散策、写真 等
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Q 5月26日にHertZでご自身の初コミックス『爪先に光路図』が発売となります。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
  A 以前は漫画を仕事にする日が来るとは思っていなかったので、なんだか不思議な気持ちです。じわじわと嬉しくもあり、それ以上に不安でもあり…笑
少しでも気に入って頂ければいいなあと思っています。
Q 表題作『爪先に光路図』は、大学生の岩井が菌類学者の室田の助手バイトを紹介されるところから物語は始まります。静かに積もりゆくようなお話ですが、このお話が生まれたきっかけを教えてください。
  A 山の中を歩いたりするのが好きなんですが、最初は写真を撮るだけだったのが段々きのこや植物や木の実を採集して標本を作るようになり、その流れでこれを漫画で描いてみようかなと。研究者の情熱というものに強い憧れがあるので、それを重ねて自分の萌えを発散したのが爪先~でした。中々力不足で思うようには描けていませんが…。
Q 菌類というモチーフを、自然でありながらも印象的にストーリーに取り入れていらっしゃいますが、このモチーフをお選びになった理由はなんでしょうか?
  A 菌類って自分にとって知れば知るほど「わけのわからないもの」「不思議なもの」なのですが、それは同時に「心惹かれるもの」という事でもあるので、わからない相手だからこそ知りたくなる・惹かれるという恋愛の王道的法則にも似ているなと思っていたら自然とこのような話になりました。
Q 同時収録に『さかなの体温』、『八月、夏の底』があります。こちらの2作品について一言ずつご紹介いただけますか?
  A 『さかなの体温』…眠る人から魚の形をした何かがさまよい出るのが見えてしまう男の子と、その子を気にかけている男の子の話です。
『八月、夏の底』…祖父の訃報を聞いて田舎に帰った青年が、そこで祖父と縁のあるらしき不思議な少年と出会い、親しくなっていく話です。
Q 『さかなの体温』、『八月、夏の底』は、現実世界に本当に潜んでいそうなファンタジーのように思いました。どんなときに着想を得ているのでしょう? 日頃からアンテナを張っていらっしゃるのですか?
  A 普段から不思議な夢をよく見るので、結構そこから着想を得ることが多いのですが…さかなの体温はそのうちの一つです。
八月、~はトラディショナルなきつねと人情の話を自分で描いてみたらどうなるかな、と思って描いたものです。田舎に旅するのが好きなのですが、そういう旅先で撮った写真を見返していて思いつきました。単純に、きつねという生き物も文化も大好きという理由もあります…笑 何度でも描いてみたい題材です。
そんな感じで他愛ない経験や興味から生まれる話が多いです。
Q コミックスに納めきれなかったりエピソードや、没になってしまった裏設定がありましたらぜひ教えてください。
  A 岩井には姉が居る設定です。女性の扱いを心得ていて、人に合わせるのも上手いので人当たりが良いけどその分本心がちょっと見えにくいタイプというイメージで…
あと室田と篠原の学生時代のエピソードなども考えていたんですが、さすがに話が逸れ過ぎるので妄想のまま終わってしまいました。笑
Q 『爪先に光路図』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいシーンを教えてください。
  A 夢のシーンが描きたくて描いたお話なので、そのふわふわした不安定な空気を感じていただければ嬉しいです。
Q 次の作品の構想、モチーフなどはすでに決まっているのでしょうか? どのようなお話になるのかすこしだけ教えていただけますか?
  A 次のお話は、もう少し地に足のついた、ファンタジー色の薄いお話をと思っています。大正時代の下宿・師弟・先輩後輩のお話をゆるゆるした感じで描けたらなと。
Q PNの由来を教えてください。
  A 本名に色に関する文字が入っているので好きな色の青と、植物の名前を入れたかったのでアオイもかけてあります。秋は単純に四季の中で一番好きな季節だからです…笑
Q 漫画を描く上で影響を受けたりリスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか? 理由もあわせて教えてください。
  A 数え切れないくらいなので、かなり悩みますが…宮崎駿、宮沢賢治、アンゲロプロス、シャンゲラーヤ、パラジャーノフ、室生犀星、たむらしげる各先生は特に尊敬しています。
漫画家の先生で言うと萩尾望都先生、鳩山郁子先生が特に好きです(他にもたくさんいらっしゃいますが!)。あと友人にプレゼントされた内田善美先生の本はちょっと特別な存在です。
あとはこどものとも、たくさんのふしぎ、世界名作劇場、みんなのうた等幼少時から親しんできたものには大きな影響を受けていると思います。
夢と現実の境界があいまいになってしまうような空気感に惹かれるので、そういったものが多いです
Q 青井先生の作品を読んでいると、とても居心地のいい濃い霧の中にいるような、濃密な世界観を感じます。物語を作るときに心がけていることがありましたら教えてください。
  A 霧の中のはりねずみみたいでとっても嬉しいたとえです、ありがとうございます。
心がけていることは…、自己満足の世界でもひとりよがりにならないように、という事でしょうか…。そうでありたいという希望です。
Q 非常に緻密で繊細な絵が、青井先生の漫画の魅力のひとつだと思いますが、絵を描くときのこだわりやお好きな作業がありましたら教えてください。
  A 恐縮です、自分としてはもっとちゃんと描きたいのですが中々ままならず歯がゆい事ばかりで。
こだわりと言えるかはわかりませんが、好きなものは手抜きをせず愛をもって描きたいと思っています(すごく当たり前の事だとは思うのですが、時間に追われると中々できなくなってしまうので…)
好きな作業は植物やら貝やらのモチーフや模様を描く時です。人物を描くときのような雑念が入らないので
Q 今後、漫画で挑戦してみたいことがありましたら教えてください。
  A フリーハンドでゆる~い感じの画風にとても憧れているので、そういうものが描いてみたいんですが…中々勇気がなくて実行に移せません。
Q どのようなきっかけでBLを好きに、また、描くようになったのでしょう?
  A 中学時代の友人の友人がBL好きな子で、当時BLが苦手だった私に何故かじわじわとBLを読ませてくれた事が大本のきっかけだったと思います。BLを好きになる資質を見抜かれていたのかもしれません。笑
漫画も昔は男女の話を描いていたのですが、それが段々男の子同士の友情や執着や愛憎の話に焦点が絞られるようになり、ゆるゆるとシフトしていったような記憶があります。
Q お好きなカップリングやシチュエーションを教えてください。
  A 攻めでも受けでも、生真面目なキャラが大好きです。その分不器用なところのある人。そういうキャラが色々ままならない状況に陥ったりしているととてもたまらないですね…
Q 青井先生にとって『萌え』とはなんでしょう?
  A BLや恋愛に限らず、人を突き動かす情熱かなあと
Q 最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
  A ご覧下さり本当にありがとうございます。作中、少しでも心に引っかかって残るような部分があれば幸いです。今後ともよろしくお願い致します!
爪先に航路図 さかなの体温
八月、夏の底
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