文庫『或いは、傷痕。』はじめ、作品に対しての質問です。
10月6日に『或いは、傷痕。』が発売となります。笹原先生のデビュー作となりますが、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
本当に嬉しいの一言です! まさか自分が本一冊書きあげることができるなんて! 嬉しいです!
物語の始まり方もそうですが、印象的なシーンが随所にあると思いました。ストーリーの構成を考える際、なにか心がけていることなどあるのでしょうか?
一番印象に残るようなシーンをどかんともってくるときに、そのシーンまでの過程をどうもっていくかとか、その時のキャラクターの行動や言動をどうするかということを一番気にして書きました。
借金のかたにヤクザに攫われた偲と、偲を攫った張本人の神鬼を筆頭に、今作にはアクの強いキャラクターがたくさん登場します。自己主張の激しそうなキャラクターが多い中、ストーリーをまとめるために注意した点などはありますか?
キャラクターの個性をいかしつつ、恭也と偲にどういった影響を及ぼしていくのか設定をはっきりさせることですかね。椿と犬丸は偲や恭也より目立ちそうだったのでこの二人は特に注意して書きました。
先の質問でもあるように今作には魅力的なキャラクターがたくさんいます。その中でも笹原先生のお気に入りは誰ですか?
また書きやすかったキャラクター、反対に大変だったキャラクターはいますか?
一番のお気に入りは浮田さんです。普段サイボーグなのに小動物がすきなんですよ、浮田さん。たまに偲が仔猫やリスに見えて「あ」ってなったりしてます(笑) 他にも犬丸も好きです! まず犬丸って名前が可愛い。その割に見た目がいかつくて性格が横暴。でもこいつは大切と思った人間にはかなり尽くすタイプです。恋人にするなら彼です。
偲や恭也も書いていて楽しかったです。恭也から滲み出る大人の男の色気とか偲の色香とか書いていてこちらが興奮してましたね。そこが伝わってほしいです。
逆に大変だったのは吉田です。すごく下衆なむっつり中年ってどんなんだろうと思って出来たキャラクターなんですが、予想の斜め上を行く変態になってしまって自分でも驚いています。読み返して「うわああ」ってなりました。
今作を書かれていて楽しかった点、苦労した点を教えてください。
エッチシーンが一番苦戦しました。見るのは大好きなんですが、いざ自分が書く側になるとほんと恥ずかしかったです・・。直接的な表現を書くときは体操座りで静かにキーボードを叩きました(笑) それから読み返して爆発しそうになりました。
書いてて楽しかったのは恭也と偲のいちゃいちゃシーンです。抱き合うシーンや一緒に寝るシーンは書いていてほっこりします。
それから最後のシーンも書いていて楽しかったです。幸せになれって思いました。
本編に納めきれなかったエピソードや、製作中の秘話などありましたらぜひ教えてください!
着物なら下着はふんどしだろって思ってふんどしについて色々調べたんですが、使う機会がなかったです。あとだらしない恭也も書きたかったです!
製作中は慣れない作業をするせいかずっとお腹が空いてまして、いつもなにか口に含んでました。チョコが大好きなのでチョコ食べたりチョコレートドリンク飲んだり、とにかく甘いものばっかり食べてましたね。そのせいで体重増えてました。でも頭を使う時は甘いもの食べればいいと言うじゃないですか!
『或いは、傷痕。』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいポイントを教えてください。
恐怖の対象であった恭也をだんだん意識していく偲の心の変化に注目してみてください!
それから膝を抱えながら書いたエッチシーンも頑張ったんだなーぐらいの気持ちで見てください!!
笹原にしき先生ご本人に関する質問です。
小説を書き始めたきっかけはなんですか?
ちょうど携帯小説が流行っていたので自分も書いてみようかなーと思って書きはじめました。
小説を書く上で影響を受けたり、リスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか? 理由もあわせて教えてください。
中原一也さんの書かれる作品が大好きです! 初めて読んだBL小説が中原一也さんの作品でした! 他には夏目漱石の「こころ」が大好きです。あの独特な言い回しや雰囲気がとても素敵です。
最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
今回の作品がデビュー作となっています。私の大好きなジャンルが詰まった作品となっています。
この本を読んで読者の皆様が「うおお」ってなってくれたら嬉しいです(笑) どうか応援よろしくお願いします。