設計事務所で働く縞岡は、
婚約者と訪ねたマンションの内覧会で、
十年ぶりに雨宮那智、アマチと再会した。
十六から十七にかけてのふたりの時間は、
北の地の短い夏のような輝きがあった。
長い空白の時間を越えて、再会したときから、
縞岡はアマチに触れたくてたまらなくなった。
那智はシマが恋しくてたまらなくなった。
会わないほうがいい。でも、会いたい。
会いたくて、たまらない──
傷つけながら、傷つきながら、恋は深まり……
『聖夜』『名前のない色』に書き下ろし『GRAY』を同時収録。
【SHY NOVELS】