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あめいろ恋ごころ
作品紹介

複雑な事情を持ち祖母とふたり暮らしている智之は、ある日、祖母が営むフラワーショップ「かがみ」でひとりの端整な男、高島一成と出逢う。若いながらもいくつもの店のオーナーである高島は、つねに罪悪感に苛まれ、居場所を持たない智之に人のぬくもり、誰かと一緒に過ごすことの楽しさを思い出させた。高島を強く意識する智之だが、それが恋なのかどうかもわからない。そんなとき、高島から智之の夜を買い取ると提案されるのだが……

 

先読み
深夜ドライブ前の、智之が携帯電話の着信に気づいて窓の下にいる高島を見つけるところ。
オススメといいますか、個人的に好きな場面です。ここだけは、珍しくも書いている途中でふっと映像で出てきました。
真夜中の「底」にいるようなイメージですね。一応、書いた本人としてはこの本及びシリーズのひとつの節目かな、とも。
しかし今になって気付きましたが、作中のこの状況…「一歩間違えたらストーカー」というか、「ちょっと状況違ったらホラー」になる気もします…。
 
購入
 
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Q 5月31日にシリーズ第一作目となるノベルス『愛人関係』が発売されますが、発売を前に今のお気持ちを聞かせてください。
  A こういう形で原稿を書くのも本を出していただくのも初めてなので、いつになく緊張気味です。思惑通りの形でラストまで辿りつけたらいいなあ…と心底願っております。
Q 今作は、シリーズを前提とした作品ですが、全体の構成は決まっていますか?
  A 大まかには決定済みです。ただ、現時点であれこれ「ああここはこうなんだー」という変更や追加が出ていますので、紆余曲折具合に関しては予定外の部分も出てきそうです。そのあたりを楽しみに先に進めたいと思っております。
Q 今作は主人公のふたりの過去が絡んだ作品となっていますが、このお話を書こうと思ったきっかけはなんですか。
  A きっかけ…今回に関しては、プロットに過去最高に行き詰まって本当にかなりまずい状況に陥った、という記憶が強烈すぎてよく覚えていなかったりします。ですが、見直してみたら担当さまと話した際に出てきたキーワードがあっちこっちに埋まっていますので、あの時にヒントをいただいたことは確実かと。…関東方面に足を向けて寝られない心境です。
Q 智之がフラワーショップに関わっていることもあり、花やグリーンの描写が印象的です。あとがきによると、育てるのは苦手(!?)なようですが椎崎先生ご自身で花を飾ったりされていますか?
  A 現在、花瓶を探し中なので自宅で飾ることはしませんが、見に行くのは大好きです。個人的には、花壇の花より樹木や樹木に咲く花に好きなものが多いので。樹木以外の花ではカラーが好きです。独特のラインと雰囲気が、眺めていて飽きない感じで。別枠で、遠目に見るなら田園風景に群生する曼珠沙華。鮮やかで、うっすら怖くて見惚れます。
Q ストレートでドキリとする今回のタイトルですが、このタイトルに決められた理由を教えてください。
  A 作中に出てくる言葉であり、キーワードにもなる予定なので。詳しくは二冊目以降に出てくる…のではなかろうかと。
Q 『愛人関係』の中で、読者のみなさまにぜひ注目していただきたいポイントを教えてください。
  A これはシリーズ全体を通してなのですが、人物それぞれの関係性がさまざまな出来事によって変化していく話にしたいと思っていますので、そのあたりでしょうか。
Q ラスト、続きがとても気になる終わり方でした! お答えできる範囲で次回予告をお願いできますか?
  A 諸々のことは少しずつ明らかになっていくにつれて、智之は戸惑い狼狽え、迷ったあげく最終的に決断します。一方、高島はさらに智之への傾倒、もとい執着具合が激しくなっていきます。ふたりの関係やお互いへの認識がじわじわと変化しつつ、それ以外の関係も傾き始め…という感じでしょうか。
Q 『愛人関係』が発売される5月にはGWがありましたが、椎崎先生はお休みの日はどのように過ごされることが多いですか?
  A あらかじめ予定を立てて遠方に旅行するか、特に予定を立てず気の向くままに長距離ドライブします。車の運転が好きなので、片道四、五時間運転してお気に入りの場所に行ってくるとか。どちらもない時は近場の海に出かけてひたすら海面を眺めてぼーっとしたり、自宅で好きなお香を焚いて積み本を読んだりします。
Q 作品を作るとき、ストーリーから作りますか? キャラクターから作りますか?
  A どちらか先行ということは滅多になくて、大抵はストーリーと人物がセットで決まることが多いです。スピンオフの場合は人物先行で、相手とストーリーがセットで決まります。このセット具合に齟齬が生まれると、自主的・自動的にプロットの作り替えになります…。
Q 今一番のマイブームはなんですか?
  A 神社巡りと大木探し。「好きだな」と思う場所探しとも言います。
Q 一番好きな攻・受のタイプ、シチュエーションを教えてください。
  A 自縄自縛に陥りやすいぐるぐるくんと表向き保護者面しておいて実は独占欲の強い束縛野郎が、言葉足らずでじたばたする話…を書くことが多いので、たぶんそういうのが好きなんではなかろうかと。ただ、時々どうにも面倒臭い人が、とっても厄介な相手と非常に鬱陶しい恋愛をする話も書きたくなるので、そういうのが好きだという可能性も捨てがたいかもです。
Q 最近読まれた本で面白いと思った作品はありますか? ジャンルや面白かった理由などもお願いします。
  A 「厭魅の如き憑くもの」。ホラー寄りミステリ。日本古来で土着の文化が残る山深い村の繊細で鮮やかな描写と、事態が見えたかと思えば反転、結末が出るかと思えば反転という先が見えない展開に、目が離せず一気読みしました。何より、そのラストにぽつんと置いてある、うっすらぞっとする余韻が個人的にはとても好みでした。ただし内容はかなり猟奇っぽいので(横溝正史系といいますか)、苦手な方にはお勧めできないかもです。
Q 椎崎先生の書かれる作品は切なくて思わず苦しくなってしまう場面もありますが、先生ご自身、執筆中に苦しく感じることなどはありますか?
  A 場面的に苦しくなることはありませんが、書きながら気がつくと顔を歪めている…ことはよくあります。なので、人目のある場所で原稿を書くのはとっても危険です。ちなみに一番苦しいのは書き始めで、毎回プロットを睨みつつ、「本当にちゃんと書き上がるんだろうか」という不安を覚えます。
Q お仕事中、これだけは欠かせないという心の支えや癒しはありますか?
  A とりあえず拙作の本を一冊。書き始めに途方に暮れた時、「コレが書けたんだから大丈夫、続けて書いていればいつか一冊分になるはず」と己に言い聞かせるのに有効です。…まったくもって癒しにはなりませんが。
Q 最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
  A こういう形で原稿を書くのは初めてですが、うまく着地できるようやれるだけやってみる所存です。
主人公やその周囲がどんなふうに変わっていくのか、できることならラストシーンまでおつきあいいただければ嬉しいです。
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『10 to 11』椎崎 夕先生2作連続発売カウントダウン企画

*この企画は2010年のものになります。
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