12月27日に『幾千の夜 最終夜』『今宵おまえと 二章』が二冊同時発売になります。
どちらも続きが気になっていた方は多いはず! 今のお気持ちを教えてください。 |
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お待たせいたしました。昨年に引き続き2冊同時発刊となって、うれしいです。 |
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まずは『幾千の夜』について聞かせてください。今回、ついに最終夜を迎えました。
木下先生の作品の中でも特に長いおつきあいになった作品ではないかと思います。
哲弥と宙、ふたりの物語を描き終えてのご感想を教えてください。 |
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自分では長く描いていた実感が全然ないんです。
あ、もう3年ぐらい描いてる計算になるのかーと終わってからぼんやり思いました。 |
『幾千の夜 第一夜』でこそ幼く頼りなかった宙でしたが、しっかりした大人に成長しました。
反面、てっちゃんこと哲弥はかなりへたれてしまったような……
執筆する上で、ふたりの変化はどう考えていらっしゃいましたか? |
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宙の変化は織り込み済みだったのですが、てっちゃんは…ちょっと予定よりへたれてしまったような気がするような、そうでもないような(笑)。 |
幼なじみから恋人になったふたりですが、これをやっておけばよかった!
というエピソードや設定はありますか?
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そうですねえ、てっちゃんの友達を一応自分の頭の中だけで用意はしていたのに、出すタイミングがなかったのが残念かなと思います。おかげで、てっちゃん友達がいない人みたいになってしまって、申し訳ない(笑)。 |
『幾千のキス』のラストのほうで哲弥のセリフに『つまんねぇ せっかく…なのに』というものがありますが、『…』の部分、気になります! こっそり教えていただけないでしょうか? |
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「せっかくふたりの朝なのに」という恥ずかしすぎるいちゃいちゃ台詞でした。
自主規制してしまったら、担当さんにも確認されて、結局恥ずかしかったというオチで(笑)。 |
『幾千の夜』のなかでオススメシーンがありましたら、ぜひ教えてください。 |
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ラスト近くの駅のシーンです。
あまり細かくプロットを立てない方なのですが、そこは最初お話を考えたときから、こうしようと絵まで決めていた唯一の(笑)シーンなので、読んで下さった方にも気に入っていただければと思います。 |
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今度は『今宵おまえと』について教えてください。
この作品では働く男たちの姿がとてもリアルに描かれていますが、仕事中の男性の魅力とはどんなところだと思いますか? |
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ちょっとくたびれて、油断してるところとか、個人的には好きです。
休憩室でうっかり寝ちゃってる人とか。
あ、働いてる所じゃなかった(笑)!! |
カバーのコメントでフリーになってはや○年とありましたが、漫画を描く前はどんなお仕事をされていたのですか? |
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デザインとか販促とかやってる会社で、百貨店に出向してPOPを主に装飾などをやってました。なので、保孝のやっているお仕事の方には当時私自身が大変お世話になっていました。会社員当時は当時で多少ぼやきつつも楽しく仕事をしていましたので、今とそんなに変わりがないです。フリーになって良かったことは、朝目覚ましをかけなくても良くなったことかなと思っていたのですが、相変わらずだいたい7時ごろ起床してますので、変わってない! みたいな(笑)。休みが自分さえ頑張れば自由に取れるのと、平日にお買物ができることが良いことですね。 |
陸郎も保孝も、どちらもモテそうなタイプですが、木下先生がオススメするとすればどちらですか? |
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保孝です。
一見陸郎の方が優しくてマメで良さそうなんですが、案外細かそうなので、保孝の方が扱いやすいと思います。でもちょっと軽いですね(笑)。 |
密かに、保孝の後輩・加藤くんもとてもかっこいいと思うのですが、彼はゲイなのでしょうか?
それとも、加藤くんにとって保孝が特別なんでしょうか? |
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加藤君は女子が駄目じゃないゲイぐらいの気持ちで描いています。
保孝より3つ下で出会ったときからの一目ぼれ的な感じ? |
『今宵おまえと』は現在HertZにて絶賛連載中です!
ふたりの関係は友情で終わるのか、はたまた恋に発展するのか…この先の展開をこっそり教えていただけますか? |
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もちろん恋に発展していきます。でももうちょっとかかります。 |
今宵おまえと 二章』のなかでオススメシーンがありましたら、ぜひ教えてください。 |
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西急百貨店の前で立ちすくむ陸郎が、おすすめするシーンかどうか迷いますが、個人的に気に入ってます。 |
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木下先生の作品を拝見していますと、攻めの傾向として「ヘタレ要素」があるように思えるのですが…… |
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自分では自信満々に今度はへたれてない!
と描いたつもりの攻の人たちがみんなへたれ認定されていくので、好きとかそういうのを超越してるんじゃないかと最近思います(笑)。 |
『幾千の夜』ではてっちゃんやリョーちんとの食事シーン、『今宵おまえと』でも料理のシーンがあります。
木下先生は料理はお好きですか? |
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料理は好きです。特に得意でもないんですけど。
料理シーンが多いのは、男子二人が会う自然なシチュエーションだからだと思います。己のワンパターンに今ちょっと反省しました(苦笑)。好きな料理は食いしん坊なので、いっぱいあるんですが、ひとつだと、ネギのみそ汁です。お揚げに刻んだおネギがどばーっと入っているやつが大好きです。 |
2012年2月頃発売予定の電子書籍のアンソロジーiHertZではサムネイルとショート漫画をご執筆いただきました。
漫画は商業誌ではなかなかない作品になったように思うのですが、木下先生のなかでボツ設定というのはありますか? |
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担当さんになんでもいいですよと言っていただいたので、わーいとばかりにネームを提出させていただいたら、本当に好きに描かれましたねと言われてしまいました(笑)。恋の終わりは恋の始まりというのが真のテーマなんですけど、なかなかお仕事では難しいと思うので、機会をいただけてうれしいです。私自身のNGネタというのはあて馬同士が最後くっつくです。ボツというより自分の中でやっちゃいけないネタです。 |
『幾千の夜』が終わり、2012年1月発売のCRAFTでは新連載がスタートします。
どんな作品になりそうか、教えてください。 |
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男三人暮らしの少し静かなお話になる予定です。
今度は少し大人の恋を描ければと思っています。
攻がへたれない!
予定です。 |
2011年も残りわずかとなりました。今年はどんな一年でしたか?
そして、来年はどんな年にしたいですか? |
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今年は3月11日の大きな震災で本当にたくさんの方がいろんな大変な思いをされたと思います。来年は皆様がひとつでも今年より良いことが多い年になればいいなと思いますし、私もそうしたいです。それが一番の抱負です。あとは整理整頓!、段取り大事! で来年こそやっていきたいです。(5、6年同じ目標を掲げ続けて負けっぱなしという…) |
読者のみなさまにメッセージをお願いいたします。 |
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一年ぶりに2冊の続きをお届けできることになりました。
楽しんで読んでいただければ嬉しいです。
年末年始の忙しい時ですが、ちょっとした息抜きになれば幸いです。 |
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